インテリジェント情報通信研究室の概要

皆さんの周りでは、目に見えない電波によって大量の情報が運ばれています。そして、皆さん自身も情報の送受信に電波を利用しています。インテリジェント情報通信研究室は、携帯電話/無線LANなど身近な無線通信技術をより高性能/高効率にするための、信号処理手法について研究しています。例えば、MIMOと呼ばれる技術は、使用する帯域幅(一種の資源)が一定のままでも、達成できるデータ伝送速度を何倍にもできます。また、近くにある友人の携帯端末を自分のデータ送信に利用することで、送信電力(電池の使用量)を何分の1にも低減することが可能となります。当研究室は、高性能/高効率な無線通信環境を実現するために、チャレンジングな新技術を研究し続けています。

目で見る研究紹介

MIMO信号処理技術

無線通信を取り巻く環境は、使用者(例えば携帯利用者)や周囲の物体(人/車)などが動くことで、時々刻々と変化します。このような伝搬環境変化(フェージング)に適応的に対応しながら、複数の送受信アンテナ対(MIMO)を用いて、最適送信ビーム形成や、最適受信信号検出処理の研究を行っています。

端末協調技術

皆さんの携帯端末は非常に小型です。そのため、大きなバッテリを積むことができません。一方、端末が遠くの基地局と高品質に通信しようとすると、送信電力を大きくしなければならず、通話時間が短くなってしまいます。当研究室では、送信したい端末に対して、近くの端末が協調して送信する手法を提案し、全体の送信電力を何分の一にも軽減するECO技術の検討を行っています。

交通事故防止技術

歩行者を交通弱者としないためには、ドライバーの安全意識が重要です。しかし、自動車自身が歩行者の位置を検出できれば、ドライバーに注意を促すことも可能となります。また、前を走る自動車が後続車に危険情報を知らせることで、直接見ることのできないドライバーへの注意もできます。当研究室では、無線通信技術を応用した歩行者検知や、車車間・路車間・人車間情報伝達技術について研究を行っています。