言語メディア学研究室の概要

言語メディア学研究室の目的は人間と同等の言語能力を持つシステムの工学的実現とその応用です。人間と同じように言葉を話し、理解し、英語を訳したりするコンピュータを実現するには、まず人間と同じような知能が必要です。この知識を得るためには人間のように言葉を使って知識を得る必要があります。人間の常識や感情を持っていないコンピュータは、常識の無い無感情なシステムになり、人間に迷惑ばかりかける存在になってしまいます。我々の目指すコンピュータは感情の無い冷たい存在ではなく、泣いたり笑ったり、ジョークを言ったり、常識を持って行動したりするフレンドリーな友達となることを目指します。

目で見る研究紹介

言語を獲得するコンピュータ

幼児が生まれながらにして言葉を覚えて行くメカニズムはまだ完全に解明されていま せんが、これまで様々な研究が行われています。現在のコンピュータの能力で実現可 能なように人間の学習と認知のプロセスを近似したシステムを構築しています。この システムは人間と会話や行動をするとロボットが画像と発話よりものの名前や色を覚 えたり、動詞などの意味を理解したりすることができるようになります。

駄洒落の理解や生成をするコンピュータ

人間と一緒に生活するロボットの実現を目指す研究室なので、「手伝い」のロボットだけではなく、「パートナー」のレベルとして家族一員としてのシステムの実現を目指します。信頼関係を構築するために人間の感情を理解し、励ますことなどができるシステムが理想です。ユーモアを持つコンピュータはそのテーマの一つです。

複数の情報を獲得し話すカーナビゲーション

現在広く普及しているカーナビゲーションの将来は最新情報の分析と自然な対話インターフェースの組み合わせになります。車に話しかけるとインターネットなどから情報を得てより効率のいい運転を行います。要求を上手に聞いて、システムが簡単に説明するという理想を目指します。

世界を理解する人工知能掃除機

周りの世界についての常識的な知識がない限り、掃除機のような簡単なロボットでも迷惑をかけることがあります。一方、その知識は膨大でなんでもユーザに聞くことはできません。そのため、周りの物体の様子や人間の行動などの「当たり前」をインターネットから抽出し、その知識を利用しながら掃除するシステムです。

自由に対話ができるチャットボット

「タスク指向」と呼ばれる目的がある会話システムはすでに実現可能ですが、カーナビでも、家事ロボットでも、人間並にユーザと雑談する能力を持つことが望ましいという前提で、知識と感情処理だけではなく、ユーザの好みなどを記憶したり、興味を学習したりするシステムを構築しています。