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変革の時代に新風を巻き起こし
情報科学で新しい社会を創造する

大学院情報科学院/大学院情報科学研究院
学院長/研究院長

教授長谷山 美紀

Message

デジタル技術が社会そのものを変えていく時代へ

 世界は今、大きな変革の時期を迎えています。デジタル化・ICT化の進展による社会の変化は加速度的に速まり、社会構造を根底から覆すほどドラスティックな動きを見せています。
 2004年、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が「DX(デジタルトランスフォーメーション:Digital transformation)」を提唱しました。DXとは「進化したデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものへと変革する」という概念です。その後十余年を経て、我が国では通信インフラの強靭化やIoTの浸透、AIの高度化などにより情報技術が社会の隅々まで普及し、私たちの生活に不可欠な存在となっています。今まさに、DX時代の到来が現実のものとなっているのです。

 DXの概念は、情報技術を進展させるだけではなく、デジタル技術が次の社会を大きく変えていく、新しい社会を創造していくというものです。その中で、情報科学は単なる学問領域や科学技術分野にとどまらず、社会の行く末を見据え、どのような社会を創り出していくかという「社会創造の理念」を持って取り組まなければならない分野に発展しているといえます。

 北海道大学の情報科学研究院/情報科学院は、前身である情報科学研究科の設立時から「情報科学と異分野の融合」「サイバー空間と実空間の連携」を教育・研究の柱としており、情報技術による社会への貢献を標榜し続けてきました。その歴史的背景を強みとし、10年後、20年後の社会を創造する人材を育成すべく、先陣を切って新しい時代の風を掴み、新風を巻き起こす戦略を推し進めていきます。

異分野の融合・連携を深めるマインドの醸成

 政府の方針では、Society 5.0の実現に向け、AI、IoT、ビッグデータ、セキュリティおよびその基盤となるデータサイエンスを担う人材の育成・確保が喫緊の課題とされ、大学の情報系分野における教育・人材力の強化が強く求められています。
 その一方、現代社会が直面するさまざまな問題は、既存の技術やひとつの研究分野で解決できない側面があり、境界領域での研究やイノベーションの重要性が高まっています。これからの時代に求められるのは、まだ顕在化していない社会問題の芽を発見し、研究分野の壁を越えた広い視野で問題の本質を捉え、情報科学を駆使して問題解決に導くことができる人材です。

 本研究院/学院は、情報エレクトロニクス、メディアネットワーク、情報理工学、生体情報工学、システム情報科学の5コースを擁しています。電気・電子工学から生命科学、情報システムまで多様な分野が融合し、それぞれに基礎研究から社会実装までを視野に入れた幅広い研究活動を行っている研究院は全国的にも珍しく、非常にユニークな存在といえます。
 さらに、情報科学院には5つの連携分野があり、物質・材料研究機構や産業技術総合研究所、JAXAなどの国立研究機関をはじめNTT、NTTドコモといった企業との異分野融合研究や実務的研究に学生や研究者が数多く参画しています。既存の分野や枠組みを超えた融合領域での研究活動は、本研究院/学院がもっとも得意とするところであり、多様な学生・研究者が自由な発想で新しい価値を創造する環境とマインドが醸成されています。

大学院情報科学院/研究院長 教授 長谷山 美紀

世界トップクラスの大学・研究機関との共同研究体制の充実

 国内外の大学と連携した共同研究指導体制や、国際共同指導プログラムの拡充にも取り組んでいます。例えば、平成19年度から23年度にかけて実施した「北海道大学グローバルCOEプログラム」では、異分野共同研究プロジェクト制の導入や、修士課程で自身が所属するコース(主専修)以外にもうひとつのコースを副専修として選択する双峰型教育の採用など、若手人材育成と国際化を目標とした数々の施策を実施し、多くの実績をあげています。
 また、国際連携研究教育局(GI-CoRE)の拠点の一つであるGSB(Global Station for Big Date and Cybersecurity)の推進部局としてマサチューセッツ大学(UMass)やシドニー工科大学(UTS)の参画のもと、異分野連携教育と同時に、国際的通用性のある教育システムを実現しています。既成概念にとらわれない先進的な発想と、既存の枠組みを超えたグローバルな行動力を身につけた人材を育成しています。

失敗を恐れず、大きな花を咲かせる場所へ

 変革の時代に入り、情報科学の役割が技術面のみならず社会創造を担う分野になりつつある現在、本研究院/学院が創造性とパワーに満ちた新風を巻き起こしていくことは、日本や世界、サイエンスに対する使命だと考えます。
 そのためにも、学生や若い研究者、教員の発想や思いを速やかに結集し、思考と試行を続けることができる教育・研究体制を大切にしたいと思っています。情報科学を通じて、物理や数学、電気・電子工学、生命科学など多様な分野の学生が自由に集まり、社会や人間を多方面から捉え、さまざまなアイディアを出し合って社会を担っていく。そのような人材を育てるための基盤となることが本研究院/学院の目標です。
 先人たちの手によって培われた知見をもとに、「その先」を想像し、未知の領域へチャレンジする。それこそが北海道大学の「フロンティアスピリッツ」であり、その精神を受け継ぐ学生や若い研究者が、失敗を恐れず、大きな花を咲かせてくれることを願っています。

大学院情報科学院/研究院長 教授 長谷山 美紀