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[研究科長からのメッセージ]国内外で多様な異分野融合を生み出し現代社会に新しいイノベーションを起こす

大学院情報科学研究科 研究科長教授 北 裕幸

多くの課題を抱える現代社会

 私たちが暮らす現代社会には、解決しなければならない課題が多数存在しています。例えば、(1)少子高齢化による労働力の不足や介護負担の増大、(2)エネルギー資源の少ないわが国において、地球環境問題に配慮しながらエネルギー安定供給を維持すること、(3)異常気象、地震、津波、火山噴火などの大規模災害に対する対策や備えなどの問題です。日本特有の状況もあれば世界各国が協働すべきものもありますが、いずれも早急に解決しなければならない人類共通の問題です。

社会のニーズと情報科学のシーズがマッチした時代へ

大学院情報科学研究科 研究科長 教授 北 裕幸

 しかし、これらの問題のいくつかは手詰まり状態にあり、既存の技術だけでは解決できない側面もあると考えられます。そのような高度なニーズに応えられるのが情報科学の分野です。近年の情報科学技術の発展は目覚ましく、大規模なビッグデータから機械学習、深層学習、最適化技術などのツールを用いて学習することで、人間の能力を超えたデータ処理能力が実現しています。実際に医療やエネルギーの分野では「AIで〇〇を」というアプローチで産学連携によるソリューション開発が活発に行われています。
 これは、社会が求めるニーズと情報科学が持つシーズがマッチし始めているからといえます。これまで情報科学が培ってきた知恵と技術が、現実世界の問題に具体的な解決策を示すことができる。今まさにそのような時代が訪れているではないかと感じています。

幅広い分野をカバーする研究領域

 北海道大学大学院情報科学研究科は、他の主要大学の情報科学研究科とは異なり、数理やコンピュータサイエンスなどの狭義の情報科学のみならず電気・電子・精密・通信・生体工学などの、いわゆる電気電子系と呼ばれる分野・領域をも含む幅広い情報科学をカバーしています。これは、ニーズ面とシーズ面の両方に関する研究と教育を行っているということです。直面するニーズに応えるための専門性(例えば電気電子系の分野)と、次代を切り拓くシーズとしての専門性(例えばAIやIoTなどの分野)という双方の立場での研究・教育が行える。これは、他の情報科学研究科では見られない大きな特徴のひとつです。

異分野融合研究と双峰型教育で世界レベルの成果を

 ニーズ面とシーズ面の両方に関する研究を同じ研究科内で行っていることは、教育面においても大きなメリットをもたらしています。学生は、自身が所属する専攻(主専修)以外にもうひとつの専攻を副専修として選択し、異なる分野の知識を学ぶことができます。また、世界レベルで見ても優位性のある研究テーマ(電気材料・ナノ科学分野、情報通信分野など)のほか、国家レベルの大型研究プロジェクトや大学発ベンチャーにつながる研究も行っており、異分野融合的な研究が多数行われています。
 さらに国際連携研究教育局(GI-CoRE)の中に「ビッグデータ・サイバーセキュリティグローバルステーション(GSB)」を設置し、海外の大学や北大関連部局の教員と国際連携研究を実施。国内外の研究者と積極的な交流・融合を進めることで、わが国はもとより世界の拠点になることを目指しています。

改組をきっかけにさらなる融合の広がりを

 情報科学研究科は情報科学研究院・情報科学院(仮称)への組織改編を予定しており、平成31年4月からスタートできるように準備を進めているところです。これにより農学や理学、医学といった他の部局と連携した新しい教育課程を整備することができ、本研究科の強みである異分野融合・双峰型教育がより一層広がるものと期待しています。
 現代社会が抱えるさまざまな問題に対し、情報科学技術を活用することで解決し、新しいイノベーションを起こす。その最先端の分野で異分野融合力を育むことができるのが北海道大学情報科学研究科です。自由な環境の中で共に学び、共に成長し、世界に羽ばたく人材が育つことを願っています。

大学院情報科学研究科 研究科長 教授 北 裕幸

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