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ネットジャーナル24

光の特性を活かした新しい情報技術の創出
安全性が証明可能な暗号技術の実装に挑む

写真:博士(工学)富田 章久 教授

情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 
先端エレクトロニクス講座 光エレクトロニクス研究室・教授
博士(工学) 富田 章久

プロフィール

1982年、東京大学 理学部 物理学科。1984年、東京大学理学系研究科物理学専攻課程修了。同年日本電気(株)入社、半導体光デバイス、量子光学・量子情報処理に関する研究に従事。2003年10月〜2008年3月、東京工業大学大学院総合理工学研究科客員助教授。2005年10月〜2010年3月、科学技術振興機構 ERATO-SORST 量子情報システムアーキテクチャ・グループリーダー。2005年11月〜2010年3月、日本電気(株)ナノエレクトロニクス研究所主幹研究員。2009年4月〜2010年3月、筑波大学大学院数理物質科学研究科NEC連携講座教授。2010年4月、北海道大学大学院情報科学研究科教授。日本物理学会、応用物理学会、電子情報通信学会、OSA各会員。

大切な情報を守る画期的な暗号技術

――光エレクトロニクス研究室ではどのような研究をしているのですか。

富田 私たちの研究室では、光複素振幅制御技術や量子光学・量子情報の研究を通じて、コンピュータやネットワークの飛躍的な性能向上をもたらす革新的な光技術の創出を目指しています。大きく分けて量子光学・量子情報と非線形光学・光情報処理の二つの研究領域があります。どちらも光の性質を活用した情報処理技術の研究開発を行っており、私が主に携わっているのは、光の量子的な特性を活用し、従来の情報処理とはひと味違ったことをやっていこうというものです。

――具体的にはどのような分野の研究ですか。

富田 通信分野での暗号技術です。インターネットが普及した現代社会では、情報のセキュリティがますます重要になってきています。大切な情報を第三者に見られたり、改ざんされないように守るのが暗号技術ですが、重要度の高い情報ほど盗聴の危険にさらされ、暗号の高度化とそれを解読しようとする人たちといたちごっこになっています。

現在使われている最もポピュラーな暗号方式は、高性能なコンピュータを使っても解読するのは現実的に難しい(=安全)とされています。しかし、今後コンピュータの処理能力が向上すれば短時間で解読できてしまうかもしれないし、量子コンピュータを使えば暗号が解けることも示されています。今のところ、個人レベルのメールのやり取りなどはそれほど心配する必要はないと思いますが、国家間でやり取りされる機密情報や外交、金融、医療など高い秘匿性が求められる情報に関しては、情報処理技術が進んでも絶対解けないという保証付きの暗号が必要になると考えられています。

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