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ネットジャーナル48

膨大なデータの中から有用な知見を発見する機械学習
工学以外の分野への応用に貢献する技術開発に期待

写真:博士(工学) 瀧川 一学

情報科学研究科 情報理工学専攻
知識ソフトウェア科学講座  大規模知識処理研究室・准教授
博士(工学)  瀧川 一学

プロフィール

1999年、北海道大学工学部卒。2004年、同大学院工学研究科博士後期課程修了(博士(工学))、北海道大学情報科学研究科博士研究員(COE)。2005年、京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター助教。2007年、同薬学研究科医薬創成情報科学専攻助教。2010年、ボストン大学バイオインフォマティクスプログラム客員研究員。2012年、北海道大学創成研究機構特任助教(テニュアトラック)。2014年より同情報科学研究科准教授。

グラフ構造を持つデータを機械学習で解析

――瀧川先生の研究テーマについてお聞かせください。

瀧川 主な研究テーマは機械学習です。機械学習は与えられたデータからコンピュータ自身が有用な規則やルール、知識表現、判断基準などを抽出してアルゴリズムを発展させる技術です。特に私が興味を持っているのは、機械学習を使って化学研究のデータを解析するというものです。前職が京都大学化学研究所のバイオインフォマティクスセンターで、遺伝情報や分子レベルの計測データを活用して生物学的な知見を発見する研究に携わっていました。生物学の専門家ではなかったのですが、ゲノムデータの解析などを通じて化学分野で機械学習を活用することに興味を持ち、本研究室でも引き続き研究を行っています。

ポイントはグラフ構造を持ったネットワーク状の知識表現を伴うデータ解析(解説1)です。この場合のグラフとは何種類かの点と線の集合で表される数学的対象あるいはデータ構造の意味で、頂点と辺のラベルは離散的と仮定しています。化学や薬学の分野では、材料となる化合物の分子を分類・比較しながら新しい化合物を探りますが、分子構造のわずかな違いで薬の作用・副作用が異なります。そこで、一つひとつの分子構造(化学構造式)をグラフとして扱い機械学習で解析するのです。従来は、ベテラン技術者の経験と勘で探り当てることも可能でしたが、2005年にヒトゲノムが解明されるなど近年はデータ量が膨大になったため、コンピュータを使って効率よく高速に有用な知識を抽出する機械学習の技術が注目されています。

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