HOME > 研究活動・産学官連携 > ネットジャーナル > ネットジャーナル61

ネットジャーナル61

流体シミュレーションをベースにコンピュータグラフィックスを描画
物理法則を崩すことなく、自由にデザインできる技術の開発

写真:博士(工学) 土橋 宜典

情報科学研究科 メディアネットワーク専攻
情報メディア学講座  情報メディア環境学研究室・准教授
博士(工学)  土橋 宜典

プロフィール

1997年、広島大学大学院工学研究科博士課程修了。同年、広島市立大学情報科学部助手。2000年、北海道大学大学院工学研究科助教授(現・准教授)。2008年より同大学院情報科学研究科准教授。専門はコンピュータグラフィックスに関する研究。2014年の文部科学省文部科学大臣表彰科学技術賞「CG映像制作のための演出技術の数理モデルに関する研究」をはじめ受賞多数。アメリカのコンピュータ学会(ACM)のコンピュータグラフィックスを扱うSIG(分科会)「SIGGRAPH」で、10本以上の論文を採択されている。

3DCGを自在に作成できるシミュレーション技術の開発

――情報メディア環境学研究室はどのような研究を行なっているのですか。

土橋 本研究室ではコンピュータグラフィックス(CG)、画像・映像処理、大量データの可視化、音声等幅広い分野の研究を行っています。近年、CGは飛躍的に発展し、エンターテインメント分野の映像制作をはじめ、社会のさまざまな場面で活用されています。しかし、3DCGのような3次元情報の操作は簡単ではなく、形状・カメラ・照明・材質などに関する膨大なパラメータを人間が用意しなくてはなりません。さらに物理法則に基づいた精密な映像を作成するためには、長い計算時間が必要です。そのため、映像制作のような創作活動を支援する技術としては簡単に使いこなすことはできないのが現状です。

私たちの研究では、3次元空間の情報を自由に操作し、簡単にCG映像を作成する仕組みを研究開発しています。

研究室では、企業との共同研究などいろいろなチームを組んで、(1)物理ベースビジュアルシミュレーションとそのコントロール、(2)効率的でリアルな輝度計算と編集、(3)画像を用いたインタラクティブな3次元形状のモデリング、(4)デジタルファブリケーション、(5)空間ユーザーインタフェースなどのテーマを含むCG全般の研究に取り組んでいます。

特に、物理方程式をベースにした流体シミュレーション技術の研究開発に力を入れています。流体シミュレーションはCGに限らず流体力学の分野でも使われており、そういう研究ではより現実に即したシミュレーション、例えば船の設計などに利用されています。一方、私たちが扱うCGの場合はどちらかというと映像表現が主なターゲットになるので、アートやクリエイティブの現場での映像表現を支援するツールの開発を目指しています。

ページの先頭へ