次世代航空機用ワイヤレスセンサネットワークの技術開発と安全性評価
メディアネットワーク専攻
情報通信システム学講座
ワイヤレス情報通信研究室 修士課程1年
関口 徹也(北海道札幌市出身、2017年度入学)
スマホアプリを利用したロボット掃除機の操作や、電気ポットのリアルタイム情報による独居高齢者の安否確認など、あらゆる機器がネットに接続される社会が現実になりつつあります。これらはIoT(Internet of Things)とよばれる技術で実現されるもので、新たな無線通信技術である第5世代移動通信システム(5G)の実用化に伴い爆発的な普及が期待されています。このように、暮らしを便利に、快適に、さらに楽しいものにするため開発される新しい電波利用機器について、実用化されるためには、環境や人に対する適合性、安全性の確認・担保が必須の条件になります。
私が所属しているワイヤレス情報通信研究室では、次世代通信を実現するための広帯域アンテナの開発や最新のコンピュータシミュレーションを用いた電波の伝わり方の評価などの先進的研究と、ペースメーカーに代表される医療機器等に対する電磁干渉評価など電波の安全性に関する研究の両方を行っています。
この研究室で私は、4.4GHz帯の電波を大型旅客機内における多数のセンサー間通信に利用するための新技術の研究に取り組んでいます。現在、照明や各種センサーなどの装置は多数の有線ケーブルによりつながれており、ケーブル重量は約2トンにもおよびます。これらを無線通信により代替するシステムが実用化されることで、機体軽量化による燃費向上と環境適合性の確保、さらに運用コスト低減が期待される最新技術です。
日々研究をすすめながら、先生方や研究室の仲間、あるいは学外の共同研究者との議論を通じて、自分の中で現状を分析し目的や課題を明らかにする力や、周囲の人々や物事との関係性を理解する力が養われたと感じています。研究の他にも、ボードゲームパーティーや研究室旅行など様々なイベントを企画し、充実した生活を送っています。専門的な知識や技術だけでなく、コミュニケーション力など幅広い能力を身につけられることが私達の研究室の魅力だと思います。