広まりつつあるアルゴリズムのすごさと楽しさ
情報理工学専攻
知識ソフトウェア科学講座
情報知識ネットワーク研究室
博士後期課程1年
栗田 和宏(栃木県那須塩原市出身、2012年度入学)
今,世の中には多種多様なデータが大量にある時代です.データをコンピュータで処理するためには処理の手順が重要になります.この手順はアルゴリズムと言われ,アルゴリズムの違いによって処理速度に何十倍,何百倍と差が出ます.身近にあるアルゴリズムの例としては料理のレシピはアルゴリズムそのものだと思います.私の研究では列挙アルゴリズムと呼ばれるデータの中からある条件を満たすデータをもれなく出力するアルゴリズムの開発を行なっています.
大量の多様なデータを効率よく処理するためには高度なアルゴリズムが必要とされ,高度なアルゴリズム設計にはデータの持つ構造や性質を明らかにすることが必要です.アルゴリズムの設計には,まるでパズルを解くような面白さがあり,この面白さが多くの人に広まりつつあります.最近は定期的にアルゴリズム技術を競うコンテストが開かれ,若い人は高校生からアルゴリズムを楽しむ人もいます.企業もデータを重要視するようになり,データを上手く扱える人やアルゴリズム設計ができる人を企業が求めているように感じます.その理由としては,企業がコンテストを開催し,技術者を集めて自社が必要としている技術の宣伝をしているからです.今年は僕が知っている限りでも7社の企業がコンテストを行いました.企業が開催するコンテストの例として,日立製作所(日立)が北海道大学と協力してプログラミングコンテストを開催しました.このコンテストには合計1000人近くの方がエントリーし,実際に300人程度の方が参加してくださいました.しかも,僕の知る限り,ほとんどの参加者は純粋にアルゴリズム設計が楽しいのでコンテストに参加しています.
このように最近は,色々人がアルゴリズムに触れることができるようになって来ました.この記事を読んでくださった高校生,学部学生の皆さんも興味があったらぜひこのようなイベントに参加して,アルゴリズムのすごさと楽しさを感じてみてください.