電気エネルギー変換による持続可能社会の実現

システム情報科学専攻 システム融合学講座
電気エネルギー変換研究室
博士課程1年
小原 峻介 (滋賀県大津市出身、2018年度入学)
電圧、電流、直流と交流、周波数などを変換する電力変換器、運動エネルギーと電気エネルギーを変換するモータや発電機は、現代社会のありとあらゆる所で使われています。これら電気エネルギー変換装置の技術進歩は、家電、産業、鉄道や自動車、航空宇宙といった様々な分野の機器の小型化、高性能化、省エネルギー化に大きく貢献しました。ハイブリット自動車や電気自動車が街中を走り、太陽光発電や風力発電が普及し、スマートフォンやノートPC、テレビが薄く軽くなったのは、電気エネルギー変換装置の性能向上のおかげです。私達の電気エネルギー変換研究室では、さらなる電気エネルギー変換装置の技術進歩を目指し、電力変換、制御技術、モータ開発などのパワーエレクトロニクス技術に関する研究を行っています。
私は、電力変換器が発生するノイズを抑制する、アクティブノイズキャンセラの研究開発を行っています。SiC(炭化ケイ素)といった次世代半導体デバイスを使用した電力変換器は、より省エネルギーに、より小型になりますが、電磁ノイズが増大するという課題があります。コイルやコンデンサといった受動素子を用いる従来のパッシブフィルタではノイズ対策が難しく、大きな問題です。私が研究しているアクティブノイズキャンセラは、電力変換器が発生するノイズを検出し、その逆極性の電圧を加えることで、ノイズを打ち消します。従来のパッシブフィルタより、小型で高いノイズ減衰性能が達成可能で、電力変換器の性能向上につながる研究です。
私達の研究室は、理論検討とシミュレーションにとどまらず、実験装置の製作と評価までを行う「ものづくり」を重視しています。製作を行って初めて得られる経験と知識は多いです。また、様々な実験装置・設備を有しており、非常に恵まれた研究環境です。研究室の学生は、国内だけでなく海外の学会にも積極的に参加しています(写真1)。
月1回行われる研究報告会で、先生方や学生と研究状況について議論を行っており、研究面での学生間の交流は活発です。また、研究室ジンパや飲み会の開催、ソフトボール大会も行っており、皆仲の良い楽しい研究室です(写真2)。

