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学生コラム「ISTラウンジ」

本研究科在学生のコラムです。日頃の学生生活の中で感じたことや考えたことなど,さまざまな話題をお届けします。

ハードウェアからAIを考える

Pic:安藤 洸太さん

情報エレクトロニクス専攻 集積システム講座
集積アーキテクチャ研究室 博士後期課程1年
安藤 洸太
(北海道岩見沢市出身、2018年度入学)

 私の研究の主題はいわゆる人工知能 (AI) です。近年の人工知能技術の発展の大きな要因として、大規模な計算を高速にこなすコンピュータが安価に手に入るようになったことが挙げられますが、スマートフォンなどで使おうと思うと電力あたりの処理速度が足りないという問題に行き当たります。そこで私達の分野では、 AI に使われる計算に特化したことで高速かつ低電力に処理できる専用ハードウェアを考えてきました。

 しかし往々にして、認識精度で世界首位を取るのはそのままハードウェアに載せると大幅に効率が落ちてしまう複雑なアルゴリズムだったりします。私の現在のテーマは、これを包括的に捉えて、「なるべく少ない手間・整った形でアルゴリズムを処理できる専用ハードウェア」と「初めから対象とするハードウェアの形にマッチさせて複雑さを省き、その分の性能損を別の部分で補償するアルゴリズム」という両面からのアプローチで研究しています。一例として2017年には、数値表現を削った二値化アルゴリズムを前提として外部メモリを省いた高効率な専用 LSI "BRein Memory" を国際会議で発表しています。

 私の所属する集積アーキテクチャ研究室は、興味分野の重なる集積ナノシステム研究室と学生室を共用し、研究活動・ゼミや大半のイベントを共同で行っています。留学生の方も所属し、両研究室の学生所属枠がフルに埋まった時は軽く30人を超えるので、恒例花見ジンパは圧巻の賑やかさとなります。5専攻の中で最も物理寄りと言われる情報エレクトロニクス専攻の所属ですが、私の研究室はクリーンルームを持たず、PC でアルゴリズムを実装・ハードウェアを設計して FPGA に実装あるいは専門の LSI 製造業者に委託するという方法をとります。両研究室はハードウェアからソフトウェアの世界までを通貫して成果を挙げている稀有な研究室だと自負しています。

 最後に、これから研究者になろうという学部生の皆さんへ、もちろん興味と情熱が大切ですが、その自分の興味とインパクトを他者に伝えることができなければ研究はやってゆけません。そのためのプレゼンテーションスキル=日本語力・英語力が必要です。研究室配属後でも間に合いますが、思い立ったが吉日です。

図1 2017年に発表したアクセラレータ LSI “BRein Memory”顕微鏡写真
図1 2017年に発表したアクセラレータ LSI “BRein Memory”顕微鏡写真
写真1 2018年12月  沖縄開催 国際会議 FPT’18にて 写真2 2018年12月  沖縄開催 国際会議 FPT’18にて
写真 2018年12月 沖縄開催 国際会議 FPT’18にて

(2018/12/28)

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