小さなことをどう見るか?
情報エレクトロニクス専攻 先端エレクトロニクス講座
ナノ物性工学研究室
修士課程1年
椿 啓司 (北海道札幌市出身、2019年度入学)
私の所属するナノ物性工学研究室では、ナノスケールという非常に小さなスケールで、様々な機能を持った電子素子を作る研究を行っています。
そのなかで私はある石ころ(酸化物)をナノスケールの薄い膜に加工して、その非常に面白い性質を研究しています。コンピュータに使われる半導体の材料として今現在、安価なシリコンが主流ですが、実はその辺に落ちている石ころ(酸化物)を使えばもっと新しいことができるのでは?と考える研究者が増えてきており、近年日本をはじめとして研究が盛んになっています。私が調べている石ころの何が面白いかというと、電気が流れにくい状態(絶縁体)から、電気が流れやすい状態(金属)まで電圧を少し加えてやるだけで変化するところです。これはスイッチや記憶媒体として使えるため、未来の記憶媒体や脳を模倣したコンピュータなどへの応用ができます。さらにこの物質は、電気によって巨大な反磁性(磁石と反発する)や特殊な超伝導(電気抵抗がゼロ)などの面白い性質も示します。私の研究はこの不思議な石ころをナノスケールまで薄くすることで、これらの面白い性質を詳しく調べたり、まだ知られていない新たな性質の発見を目指しています。
研究室では、毎週先生達とその週の研究予定の打ち合わせや議論をするミーティングやゼミといった場が設けられており、研究者として大先輩である先生達のものの見方や、疑問に思うポイントを学ぶとても良い機会となっています。毎週のミーティングでは研究成果を報告する必要がありますが、そのために求められるのは計画的にものごとを進める力や、失敗でも成功でも良いので結果が分かるまで諦めずにやる事だと感じます。また、実際の実験は工作のような感じで非常に楽しい反面、思わぬところに危険もあるので車の危険予測運転ではないですが注意も必要だなと常々思います。
研究以外では忘年会、歓迎会や旅行、たこ焼きパーティなどが学生によって催されています。今年はかつて恒例だった旅行行事を僕が数年ぶりに復活させて、定山渓へ温泉旅行に行ったりもしました。