生命の謎をITの力で解明する
生体情報工学コース
バイオインフォマティクス講座
修士課程1年
今成 楓河 (千葉県柏市出身、2020年度入学)
私が学部生のときに所属していた生体情報コースでは生命医学、電気、コンピューターなど幅広い領域を学ぶことができます。私は生物学を高校で詳しく勉強していなかったため、このコースに進むことに不安もありましたが、私以外にも高校時代に生物を選択していなかった人は多く、仲間と協力し合って乗り越えることができました。
私が現在所属する情報生物学研究室では、情報学と生物学が融合した「バイオインフォマティクス」と呼ばれる、ITの力で生命の謎を解明することを目的とした分野の研究をしています。近年の技術の発展により、様々な生物種の遺伝子やタンパク質のデータが公開されるようになりましたが、遺伝子はヒトの場合で約30億もの塩基(A、T、G、C)対で構成されているため、依然未知の領域が多く、ITの力を使った解析が必要不可欠です。その研究対象は動物や植物、そしてウイルスまで、自分の興味にあった多種多様な生物種を扱うことができます。
また、本研究室は「ウェット」な実験を行わない、公開データや共同研究者からのデータを用いたPCによる解析がメインの研究室です。そのため、コロナウイルスによる緊急事態宣言発出時も、大きな影響を受けることなく、リモートワークで研究を進めることができ、週に1回のゼミは現在もオンラインで行われています。研究活動に大きな影響を受けなかったとはいえ、例年行われていた合宿やオフラインでの飲み会といった研究室内の交流行事は、中止せざるを得ない状況です。
就職活動にも大きな変化がありました。説明会やインターン、そして本選考の面接もオンラインで行う企業が増えています。実地での雰囲気がつかみにくいというデメリットがある反面、道外での就職を目指す学生にとっては、移動にかけるコストが小さくなり、多くの企業を知るチャンスにもなっています。収束の目途が立たない今、研究も就活もコロナウイルスとうまく付き合っていくことが必要になっています。