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細胞は「力」を感じて生きている

Pic:中田ももこさん

情報科学専攻生体情報工学コース 細胞生物工学研究室
修士課程2年

中田 ももこ (東京都世田谷区出身、2020年度入学)

 細胞は生物の基本単位で、私達人間は60兆個の細胞で作られているという話を、どこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?私たちの細胞は、固体(弾性)と液体 (粘性)の特徴を併せ持つ粘弾性体で、スライムのような物質です。細胞は、周辺環境の微弱な物理的刺激(力学的・電磁気学的な刺激)に応答して、細胞の形状や運動性を変化させ様々な細胞機能を制御しています。例えば、細胞形状の変化によって、タンパク質やDNAの合成が調整され細胞分裂に影響を与えたり、細胞の運動が、発生胚の細胞集団性や傷の治癒などに深く関与していることが知られています。このように、近年、生命現象のメカニズムの解明には、細胞の物理的性質の理解がとても重要であることが理解されてきていて、ナノバイオメカニクスやメカノバイオロジーなどの新しい学問分野が創成されています。

 私の所属する研究室では、このような細胞の物理的性質に着目した研究を行っています。細胞の物理的性質を高精度で計測するナノ計測技術の開発や、細胞から臓器までの物理的な性質と機能との関連を解明することを目指した研究をしています。例えば、水晶体は老化によって硬くなり、老眼の原因とされています。老化によって様々な臓器が硬くなりますが、この原因がどこにあるのか、まだよく分かっていません。本研究室は、原子間力顕微鏡や種々の光学顕微鏡技術を用いて、細胞・組織・臓器・発生胚の粘弾性や電気応答など幅広い研究をしています。そのため、自分自身が特に興味を持った内容について深く学ぶことが可能です。

 私は、細胞と生体高分子の複合体で形成される複雑な構造を持つ、臓器のナノ計測技術の開発の研究をしています。この研究を通じて、臓器という複雑な物質を数値化できる面白さを感じ、これは人々の思想や社会情勢を定量化することができる経済学に通じると考え、金融業界への就職を決めました。大学・大学院で、様々な新しいことにチャレンジしながら、自分の興味がどこにあるのか、探してみると良いかもしれません。


写真1:2021年度研究室の集合写真
写真1:2021年度研究室の集合写真