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ラマンで可視化する透明な細胞のイメージング

Pic:Zheng Ziyeさん

情報科学専攻生体情報工学コース 人間情報工学研究室
博士後期課程2年

本間 宗一郎(群馬県太田市出身、2021年度入学)

 人間情報工学研究室では、高度化が要求される医療・医用技術への光学技術の応用を目指しています。テーマは多岐にわたり、神経を無染色で可視化する内視鏡や細胞を無染色に観測できる顕微内視鏡の開発、採血不要な血中の脂質濃度計測装置等に力を入れています。

 私は非線形ラマン散乱分光イメージングと呼ばれる生体計測技術に関する研究を行なっています。分子は、原子(質点)が化学結合(ばね)でつながり振動し、この分子の振動の周波数は、分子を構成する原子の重さや化学結合の種類に特有です。そこで、ラマン散乱と呼ばれる、光と分子の相互作用を利用して分子の振動を検出することで生体分子の識別を行っています。私たちは12フェムト秒(光が3ミクロン進む時間)という極めて短い時間だけ光を発するレーザーを使用することで、通常の光では起きない非線形な光学応答を利用して、一度に複数の分子振動を高速に識別しています。この技術を顕微鏡と組み合わせることで、細胞のような透明なサンプルに含まれる脂肪やタンパク質をあたかも染色したかのように高速に撮像します。

 ラマン散乱は分子そのものを無標識で観察するため小分子イメージングに優れています。トランス脂肪酸とシス脂肪酸は互いに構造異性体の関係にあり同じ分子量を持ちます。このような分子は分子構造の違いを利用して見分けるしかなく、細胞内でのこれらを識別することは困難でした。しかしながら、ラマン散乱では構造異性体は互いに異なる分子振動の振動数を持つため識別し画像化できます。この技術を活用し、細胞レベルでのトランス脂肪の代謝速度の計測を行っています。

 日々の研鑽も重要ですが、研究は一人では進められません。研究や学生生活において小さな悩みはつきものです。そのようなとき支えあう仲間がいることは重要だと思います。当研究室では、季節ごとのイベント(歓迎会や忘年会)はもちろんのこと、ジンパやドライブ旅行などで交流を深めています。研究も趣味も全力で取り組み有意義な学生生活を送りませんか?研究室見学はいつでも歓迎しています。興味のある学生はぜひお気軽にお問い合わせください。

写真: マルチプレックスコヒーレントラマン分光顕微鏡での実験の様子
写真:マルチプレックスコヒーレントラマン分光顕微鏡での実験の様子