Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体材料の作製と評価
情報科学専攻情報エレクトロニクスコース 先進ナノ電子材料研究室
博士課程2年
中間 海音(広島県東広島市出身、2022年度入学)
近年、半導体不足や熊本に半導体の工場ができた、北海道にもラピダスという半導体の会社ができた、といった話題で半導体という言葉をよく耳にするようになったのではと思います。そんな半導体材料について新規の特性や既存の特性の改善、向上を目指して日々半導体を作製、評価しながら研究生活を送っています。半導体の中でも私の研究室では、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体ナノワイヤを分子線エピタキシャル成長(MBE)法で作製しています。半導体には、SiやGeといった単体で半導体の特性をもつものとGaAs, InGaN, InPのように2種類以上の元素の組み合わせで半導体として特性をもつものがあります。そして周期律表のⅢ族とⅤ族(GaAs, GaP等)の組み合わせで化合物半導体となるものをⅢ-Ⅴ族化合物半導体と呼びます。MBE法は超高真空中で基板に向かってGa, Al, Inなどの元素をビームのように照射し、1原子層単位で化合物半導体を作製可能です。私の研究室では、直径が数百nmで長さが数µmほどのナノワイヤと呼ばれる形状の化合物半導体を作製しています。この研究は、1日に1,2枚ほどの少ない試料作製量と膨大で困難な試料作製条件から他者が容易に踏み込めない自分だけの特別な研究ができるというのが魅力だと思います。
また、大学院生活では、学会参加というのも大きな活動の一つになってくると思います。研究では、日々の実験や考察、学習も大事な要素ですが、それを対外的に発表して議論できることも大事なことです。学会に参加することは、たくさんの刺激を受け、これまでに思いもしなかった発想や意見をもらえることが多々あります。研究面での刺激だけでなく、学会は他の県や海外に出ることで人生の経験としても多くのことを得られる機会だと考えています。直近ではカナダのバンフで学会に参加し、山脈に囲まれた自然の中でおおらかなバンフの人々の温かさと日本では見ることのできないような圧倒的な山脈の圧を味わってきました。学会に対する考え方や参加回数、学会参加資金などは各研究室によって大きく異なってくるので、研究室を決定する際には参考までに聞いてみるのがいいと思います。これからのよきキャンパスライフを応援しています。
