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新しい大学院生に贈る言葉

情報科学院入学式

新入生の皆さん,入学おめでとうございます.

本日,新しく,大学院情報科学院が北海道大学に設置され,その第一期生として,修士課程202名,博士後期課程36名の皆さんを迎えることができました.

大学院情報科学院は,情報科学を中核としながら,多様な分野との融合によって新しい研究領域を創出し,世界へ羽ばたくフロンティアリーダ・イノベーションリーダを育成することを目的として設立されました.

入学式に当たりまず,多様な分野と融合しながら学ぶことのできる,新しい情報科学院の特徴を3つご紹介したいと思います.

情報科学院入学式

第一に,情報科学院は学生の皆さんが所属する組織ですが,実は,教員は本日から情報科学院ではなく情報科学研究院と呼ぶ別の組織の所属となります.このように,学生の組織と教員の組織を別々にしたことで,情報科学院の教育は,情報科学研究院の教員だけでなく,例えば,医学研究院の教員や,農学研究院の教員など,本学の他の大学院の教員も柔軟に担うことができるようになりました.実際,本日からは,理学研究院数学部門の教員も情報科学院の教育に加わり,数学と情報科学とを融合した教育が展開されることになっています.

第二の特徴ですが,情報科学院は情報科学専攻という1つの専攻の下に5つのコースが置かれています.もちろん,各コースは異なる目的や内容のカリキュラムになっていますが,どのコースも情報科学専攻という1つの専攻の中にあり,コース間の垣根はかなり低いものとなっています.この点を生かして情報科学院では,自身が所属するコースでその専門分野の知識・技術を深く学ぶ(これを主専修と言います)と同時に,もう一つのコースを副専修として選択し,主専修と異なる分野の知識も学ぶことになっています.また,他コースの教員からは,講義だけでなく研究面の指導を仰ぐことも可能となっています.

そして第三の特徴ですが,情報科学院では各コースの専門科目に加え,全ての学生が履修できる共通的な科目を用意しています.アメリカのマサチューセッツ大学およびオーストラリアのシドニー工科大学の世界トップレベルの外国人教員11名が担当する国際連携情報学科目,プロジェクト遂行のスキル獲得を目的する実践型科目,文学研究院,法学研究科の教員が担当する文理融合型科目があります.

以上のように,情報科学院では,自分の専門と異なる分野を学べる環境を整えていますので,皆さんには,どんな分野と組み合わせるかを自主的に考え,情報科学に新たな価値やイノベーションを生み出し,より豊かな社会を形成できるような研究を行っていただきたいと思います.

さて,最後になりますが,これからの大学院生活においては,是非,「学問する」ことを念頭に置いて研究を行っていただきたいと思います.「学問する」というのは,読んで字のごとく,学びかつ問うことであります.すなわち,学びかつ受け容れるという一方的な知識の流れではなく,入ってきた知識をいったんせき止めて,それが正しいのかどうかを問い直す,どのような意味や価値を持っているのかを問い直す.そのような自ら「問う」という行為を是非,意識して実践して欲しいのです.皆さんは,これから大学院で,世界中の誰も手掛けていない研究を行なわなければなりません.当然そこでは,「問う」ということがなければ,未解決の研究課題や独創的な理論・方法を発見することはできないでしょう.大学院とはこのように,教員も学生もみんなで学問する場なのだと考えてください.そして,「学問する力」が身につけば,変化の激しい不確定な社会の中において,いかなる想定外のことが起こっても,何とか立ち向かい乗り越えていくことができるのであろうと信じています.是非,「学問する」訓練をして欲しいと思います.

2年間3年間と言うのは長いようですが,あっという間に過ぎてしまいます.ぼんやりしていると何も得られなかったということになりかねません.修了式の時には,皆さん一人一人が充実感,達成感に満ち溢れて学位記を受け取ることができることを願っています.

以上で私からのお祝いの言葉とさせていただきます.健闘を祈ります.

平成31年4月

情報科学院長  北  裕 幸    

(本記事は,4月2日に挙行された情報科学院入学式での学院長挨拶に基づき,新規に書き下ろしたものです。)

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