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新しい大学院生に贈る言葉

2024年4月3日

情報科学院長  近野 敦

 新入生の皆さん、入学・進学おめでとうございます。
 令和6年4月、私たちの大学院情報科学院に、修士課程191名、博士後期課程46名の皆さんを迎えることになりました。

 本学院には、情報科学に関する五つのコース、情報理工学コース、情報エレクトロニクスコース、生体情報工学コース、メディアネットワークコース、システム情報科学コースが配置されています。本学院で学ぶ皆さんは、所属するコースでその専門を深く学び(主専修)、他のコースで異なる分野を学ぶ(副専修)双峰型教育カリキュラムで、情報科学に関する幅広い知識を身に付けることができます。どのコースに所属しても、プロジェクトマネジメント技術を学べる実践型科目や、本学院と連携するマサチューセッツ大学アマースト校およびシドニー工科大学の教員が英語で講義する国際連携科目を履修することができます。ぜひ、このような科目を受講し、国際的な視野と実践力を身につけてください。

 さらに、本学院には五つの連携分野が設置され、産業技術総合研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、物質・材料研究機構(NIMS)、NTT、NTTドコモなどに所属する研究者が、本学院での講義と研究指導を行っています。このように、本学院は基礎研究から社会実装までを学べる学習・研究環境を提供します。

学院長 長谷山美紀

 2019年から私たちを苦しめてきた新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日に、それまでの2類相当から5類感染症となり、コロナ流行前の状態に戻りました。本日入学する皆さんも、せっかく大学に入ったのに授業はオンラインばかりで友達も作れない、登校できないため研究が進まない、などつらい時期があったことでしょう。

 一方で、この4年間に情報技術や環境に大きな進展がありました。生成的事前学習トランスフォーマーと呼ばれる言語モデルが2018年にOpenAIによって提案されました。これは英語ではGenerative Pre-trained Transformer、略してGPTと呼ばれています。このGPTがチャットボットとして実装され、2022年11月にChatGPTとして発表され、世の中に衝撃を与えたことは記憶に新しいところです。iPhoneのSiriやMS-WindowsのCortana等、これまでも人間と自然言語で会話できるチャットボットは存在しましたが、ChatGPTはチャットにとどまらず、レポートやコンピュータプログラムなども生成してくれるところが画期的でした。ChatGPTと前後して、画像生成AIや音楽生成AI、動画生成AI等が相次いで発表され、人間が作成するのと遜色ないレベルの画像や音楽、動画をAIが生成するようになっています。

学院長 長谷山美紀

 このように生成AIが飛躍的に進歩した一方で、多くの生成AIがインターネット上に散在する誤った情報や不適切な情報をも学習データとして利用するため、偽情報の拡散、著作権侵害、プライバシー侵害等の問題点も指摘されるようになり、多くの大学が学生に対して生成AIの利用に関する留意事項を発表しています。生成AIに頼りすぎることで、皆さんの文章を書く力や情報を収集する能力が退化してしまうのではないかと私も危惧しております。

 しかしながら、このような問題がありつつも、それらの問題を認識して上手に利用すれば、生成AIが皆さんの学習や研究の効率を高めることは間違いありません。本学院において、皆さんが生成AIの利点と欠点を良く理解し、学習や研究に上手に利用することを期待しています。

 1956年のダートマス会議で「人工知能(Artificial Intelligence: AI)」という言葉が使われてから、70年近くになります。この間、AIに関する画期的な技術が生み出されるたびにブームが起き、その技術で克服できない問題が見つかると冬の時代を迎えるということを繰り返してきました。しかし2006年にニューラルネットワークの層を多層化するディープネットワーク技術が提唱されると、様々な分野でAIが人間を超えるに至り、当分、現在のAIブーム(第3次AIブーム)は続くと予想されます。

 本日、本学院に入学する皆さんは、是非、本学院で最先端の情報科学を学び、その基礎を基に新しい理論や技術を生み出してください。そして本学院の課程を修了した後は、皆さんが本学で学んだことを社会の発展に役立て、私の想像を超える未来を創造してくれることを、今から楽しみにしています。

 皆さんが本学院において、学問と研究の楽しさを学び、多くの人と出会い、自身の可能性を広げる素晴らしい経験ができることを強く願い、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。

令和5年度入学式
令和6年度情報科学院入学式の様子
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