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新しい大学院生に贈る言葉

2026年4月3日

情報科学院長  近野 敦

 新入生の皆さん、入学・進学おめでとうございます。
令和8年4月、本大学院情報科学院は、修士課程208名、博士後期課程42名の新入生を迎えることとなりました。

 本学院には、情報科学に関する五つのコース、情報理工学コース、情報エレクトロニクスコース、生体情報工学コース、メディアネットワークコース、システム情報科学コースが設置されています。皆さんは、所属コースの専門科目を主専修として深く学ぶとともに、他コースの科目を副専修として履修する「双峰型教育カリキュラム」により、情報科学の幅広い知識を体系的に身につけることができます。

 さらに、すべてのコースにおいて、プロジェクトマネジメントを学ぶ実践型科目や、本学院と連携するマサチューセッツ大学アマースト校およびシドニー工科大学の教員による英語での国際連携情報学科目を履修することが可能です。また、本学院には五つの連携分野が設けられており、北海道大学以外の研究機関に所属する研究者による講義や研究指導も受けることができます。このように、本学院は基礎研究から社会実装に至るまでを視野に入れた、充実した学習・研究環境を提供しています。

学院長 近野敦

 本日入学された皆さんは、生成AIやフィジカルAIに代表される人工知能技術、あるいはそれを支える半導体・情報メディア・ネットワーク技術、さらには応用分野である生体工学やシステム工学など、それぞれに志す研究領域をお持ちのことでしょう。現在は空前のAIブームといわれていますが、AIにもかつて「冬の時代」がありました。

 現在のAIの発展は、深層ニューラルネットワーク(DNN)の進展に端を発しています。その原点は、80年以上前の1943年に神経生理学者であるWarren Sturgis McCullochと数学者であるWalter Harry Pitts, Jr.により提唱された形式ニューロン(formal neuron)にさかのぼります。さらに1958年にはFrank Rosenblattがパーセプトロンを提案し、1986年にはDavid Everett Rumelhart、Geoffrey Everest Hintonらが多層パーセプトロンの教師あり学習法である誤差逆伝搬法(backpropagation)を確立しました。これにより、DNNを用いた深層学習(deep learning)の基礎が出来上がりました。しかしパーセプトロンで中間層を2層以上にすると学習がうまくいかず、中間層が1層では解ける問題は限定され、希望は失望に変わり、AIは冬の時代を迎えます。その停滞を打破したのが、2006年にGeoffrey Everest Hintonが発表した積層自己符号化器(stacked autoencoder)の研究です。これによりニューラルネットワークの多層化が現実的となり、学習能力は飛躍的に向上し、現在のAIブームへとつながっています。この功績によりGeoffrey Everest Hintonは、連想型ニューラルネットワークを発明したJohn Joseph Hopfieldとともに2024年にノーベル物理学賞を受賞しています。誤差逆伝搬法の開発からニューラルネットワークの多層化まで、実に20年の歳月を要しています。

学院長 近野敦

 皆さんがこれから取り組む修士研究や博士研究においても、停滞を経験することは決して珍しいことではありません。しかし、その原因となる課題に粘り強く向き合い、試行錯誤を重ねることで、やがて突破口は開かれます。研究とは、停滞とブレークスルーの連続であり、その積み重ねによって科学は発展してきました。困難を乗り越えた経験は、必ずや皆さんの生涯の財産となることでしょう。皆さんには、ぜひ学生時代に、そのような困難を乗り越えるという経験をしてもらいたいと思います。

 また、大学院は学問・研究の場であると同時に、人と人とが出会う場でもあります。日々の研究生活の中で、先輩や同級生、後輩との交流、企業や他機関の研究者との共同研究、学会での出会いなど、さまざまな縁が生まれます。それら一つ一つの出会いを大切にしてください。そうしたつながりもまた、皆さんの人生を豊かにする大きな財産となります。

 皆さんが本学院において、学問と研究の醍醐味を存分に味わい、困難を乗り越えながら成長し、多くの出会いの中で自らの可能性を広げていかれることを心より願い、私からのお祝いの言葉といたします。

令和8年度入学式
令和8年度情報科学院入学式の様子
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