情報エレクトロニクスコースの目指すもの
インターネットやスマートフォン,人工知能や量子暗号などの情報科学技術の進歩は,新しい材料やデバイスの開発などのハードウェア技術と,それらのハードウェアを使いこなすソフトウェア・情報処理技術の革新によって支えられてきました.本コースでは,次世代の情報処理システムに求められる新しい材料,新しい集積構造・原理に基づく新概念デバイス,デバイスの本質を取り込んだ回路・アーキテクチャ・ハードウェア指向ソフトウェアなどの研究を総合的・融合的に行っています.

どのような教育が行われているのですか?
本コースでは,新材料や次世代デバイス技術と回路・アーキテクチャ,およびそれらを支える情報処理技術に関わる最先端の研究と教育を総合的かつ融合的に実践・推進していることが大きな特長です.先端の学術研究を基盤とする,エレクトロニクスのための材料・プロセス技術・デバイス技術・電子回路技術・情報処理技術・情報通信技術にわたる幅広く高度な知識と研究能力が身につくような教育課程を用意し,修士論文や博士論文の研究に対する教員のサポートも万全です.このようなきめ細かく多岐にわたる研究・教育を通じて,柔軟な発想と実行力に優れ,新しい科学技術を創り出し,研究開発や産業の推進を主導できる人材を育成しています.
主要カリキュラム
集積システム学特論,半導体デバイス物理学特論,集積プロセス学特論,固体物性学特論,電子デバイス学特論,光エレクトロニクス特論,光情報システム学特論,応用デバイス回路学特論,電子材料学特論,情報エレクトロニクス数学力学特論
どのような研究が行われているのですか?
次世代に向けた情報通信処理システムの基盤となる革新的なハードウェア技術の創出と開拓に取り組んでいます.材料,デバイス,回路・アーキテクチャ,ソフトウェア,光・テラヘルツネットワークシステムにわたる総合的な研究開発,ナノ構造・ナノ材料などの新しい物質群の創成,量子現象を活用する新しい電子・光デバイスの開拓,各種デバイスによる機能的な電子・光回路と集積システムの開発,次世代システム構築に向けた情報処理アーキテクチャや論理設計を見据えたハードウェア・ソフトウェア融合技術の開拓などがおもな研究分野です.
リサーチフィールド
固体物性学,光電子物性学,量子物性学,集積プロセス学,電子材料学,電子デバイス学,光デバイス学,応用デバイス回路学,量子デバイス学,集積システム学,光情報システム学,システムLSI学,ディジタル通信システム,量子情報科学
どのような特色がありますか?
本コースには3つの分野があります.集積システム分野では,新しい集積ハードウェアと情報処理システムに関する総合的な研究をおこなっています.先端エレクトロニクス分野は,新しい原理に基づく電子・光デバイスの創出と,回路・システムへの応用技術に関わる研究に取り組んでいます.量子情報エレクトロニクス分野は,量子集積エレクトロニクス研究センター・電子科学研究所に所属する研究室で構成され,量子力学を原理とする新しい量子情報エレクトロニクスの創出を目指します.
集積システム分野
研究内容の紹介
- ハードウェアとソフトウェアの境界をまたぐ未来指向LSIシステムの開拓
- 知能を持つLSI(人工知能・ニューロモルフィックLSI)の開拓
- 半導体ナノワイヤを用いた高性能電子・光デバイスの開発
- 半導体量子ドットなどの集積ナノ材料による光電融合情報システムの開拓
先端エレクトロニクス分野
研究内容の紹介
- 電子スピンを利用した新しい情報通信エレクトロニクス素子の研究
- 原子・スピン分解能を有する計測技術および新機能センサ・デバイスの創成
- 光の量子性やコヒーレンスを利用した新しい光情報処理・光通信技術
- ナノ構造内での電気化学的な変化のその場観察・評価と超低電力ナノドットデバイス開拓
量子集積エレクトロニクス研究センター
研究内容の紹介
- 先進電子材料および異種材料接合のナノレベル制御と新規デバイス応用
- 自然や生物に学んだ新しい半導体ナノプロセス・電子デバイスの開拓
- 次世代通信とセンシングシステムを支える高機能デバイス・回路の研究
電子科学研究所
研究内容の紹介
- 革新的エネルギー材料や、新しい光・電子・磁気デバイスの実現を目指した薄膜機能材料の研究
- 電子・光子を制御するためのナノテク技術と量子情報通信への応用